こんにちは、OKUです。
今回は、「軽度知的障害者から簡単に信頼を得る方法」についてお話します。
はじめに
軽度知的障害者の支援をされている方で、すぐに利用者さんと打ち解けて良好な関係を築く人と、なかなかうまくいかない人がいます。
例えば、利用者さんが若くて支援者が年配だった場合に、自分が知っている事を相手が知らないと馬鹿にされることがあります。
男性利用者が女性スタッフを見下したりすることもありますし、仲良くはなるんだけどナメられてしまうというパターンもあって、これも良好な関係とは言えないです。
正直、多少は知的に対する向き不向きもあるし、個人の相性もありますが、知識や能力は関係ありません。
簡単なコツを知ってるだけですぐにいい関係を築くことが出来ます。
すぐに信頼を得られる簡単な方法
簡単なので、即結論へいきます。
それは、「ちょっとしたことをお願いする」です。
例えば、
・ものを借りる(ハサミとかペンとか)
・ゴミ箱のゴミ袋を替えてもらう
・電車の時間を聞く
などです。
これはどういうことかというと、
要するに、利用者さんの承認欲求を満たすということです。
これは障害者だからというわけではなく、普段の人間関係でも同じです。
人は自分に簡単にできることをお願いされると、自分の存在意義を感じることができるんだと思います。
あなたも、頼むのは申し訳ないけど自分が簡単にできることをお願いされると、役に立って嬉しいなぁってなりませんか?
確か、心理学的にも、「人は助けられた相手よりも、助けた相手に好意を抱く」みたいなことが言われていたような…。
一度お願いすると、頼られたことが嬉しくなって、利用者さん側から今度は声をかけてくれるようになったりします。
そういった場合は、特に必要がなくても何かしら手伝ってもらってください。
(特に、信頼関係ができていないうちは)
信頼を得るとこうなる
僕が以前勤務していたグループホームで、軽度知的障害のある50代男性がいました。
もともと結婚もされていて、家事全般ができて、料理なども器用にこなすし、とてもきれい好きな方でした。
最初は、グループホームの食材を買いに行くときに、買い物リストを見ながら一緒に食材探しをしてもらいました。
その後、お茶を沸かすのを手伝ってもらったり、水回りの掃除を手伝っていました。そのたびに「ありがとうございます」とお礼を伝えていました。
すると、その方は自主的に動いて、いろんなことを率先してやってくれるようになりました。
みんなが集まって食事をするダイニングルームをピカピカに掃除してくれたり、本来は支援員がやるべきタオル類の洗濯をやってくれたり…。
ついには、隣の部屋の利用者さん(70歳ぐらいの統合失調症の男性)の面倒まで見てくれて、歯磨きや服薬の声掛けをしてくれたり、毎晩お風呂を沸かしてあげるようになりました。
「支援者としてどうなんやろ?」と思うこともあるんですが、正直、どれだけ助かったことか。スタッフが抜けて忙しい時期なんかは、そのおかげでグループホーム全体が上手く回っていたぐらいです。
やっぱり人と人との関わりは、会話だけでなく、持ちつ持たれつでお互いに承認し合いながら生きているんだなあと実感しました。
気を付けること
気を付ける点があるとすれば、頼りすぎないことと、断るときにプライドを傷つけないことです。
頼りすぎると、今度は僕たち支援者側が、手伝ってもらえるのが当たり前になってしまうことがあります。
そうすると、利用者さんはすぐに察知して、信頼関係にひびが入ることがあります。
ありがたみを感じてもらえていないと受け取るからです。
また、断るときも自尊心を傷つけない配慮が必要です。
自分はもう必要とされていないと感じさせてもいけません。
そういう時は、「ありがとうございます。今回は○○さんの手を借りなくても大丈夫そうです。またお願いします。」と返答するか、別の小さなことをお願いすればいいと思います。
さいごに
たくさんの利用者さんから信頼を得ることは、あなた自身の仕事の負担を軽くすることがあります。
しかし、逆に、信頼を裏切れないというプレッシャーがのしかかってくることもあります。
その辺のバランスが重要なんですが、まずは利用者さんの信頼を得ることが僕たちの仕事に必要なことなので、ぜひ、支援の参考にしていただけたら嬉しいです。
ちなみに今回の話は、比較的若い(40代ぐらい)統合失調症の方にも使えます。
愛のある支援を。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました^^